2016.10.21
北九州市小倉北区の花屋 フラワー&バルーンギフト専門店 、フローラルポートの走る花屋、福田智雪です。
レストステーションを出てから約40㎞。
レストステーションを出るときもスタッフが荷物預けに行く私に駆け寄ってきて「預けておきます!」と受け取ってくれる。
ほんの数メートルだけどやはり嬉しい。
礼を言ってスタートしました。
実は50㎞過ぎたあたりでランニングウォッチの電源が落ちてしまい表示されず。
キロ数もペースも時間もラップも心拍数も・・・すべて失いました。
再起動かけるも全く動かず。
となると・・腕時計なんてストレス以外の何物でもない。
レストステーションで胸に巻いた心拍計と腕時計を外しました。
多少不安はあるものの、想定通りに進まないのがマラソン、ましてウルトラなんてこの程度のトラブルは想定内です。
事前にそのように心構えを作ることで、アクシデントに動揺しないですみました。
とは言え、走り始めると自分のスピード感覚、10㎞ごとの路上の距離表示、それに数カ所の関門に掲げてある関門時間とその上に表示されてる時計だけが頼りです。
しばらく休んでからだが冷えたせいか、走り始めると大腿筋が着地する度悲鳴を上げます。
それに残りは、ほぼフルマラソンの距離。
走り切れそうなスピードを自分で調整し走りました。
ただこの痛みは、身体が温まったら消えそう・・そんな確信はありました。
3㎞ほど走ると予想通り痛みは消え、随分楽になりました。
エイドの補給と、サプリの補給を忘れないようにこまめに行いました。
レストステーションを出たあたりから60キロレースの人たちが随分増えてきました。(100㎞レースの40㎞地点から遅れてスタートのため・違いはゼッケンの色で分かる)
60㎞に参加して、レストステーションを出てすぐに歩いてる人たちが随分いました。
まだ20㎞しか走ってないのにもう歩き?多少呆れるものの、人のことはどうでもいい(笑)
「俺は四国の四万十まで歩きに来たわけじゃない!走りに来たんだ!」
自分にそう言い聞かせ、時に土砂降りになったりする雨の中、走れるだけ走ろうと思っていました。
80㎞の少し手前で、ちょっとスピード上げられるんじゃない?ふとそう思い、上げてみると思ったより楽に上げられました。
ここまで来るとゴールに早くたどり着いて早く楽になりたい・・そんな風な考えも浮かんできます。
押せるとこまで押そう・・スピード上げてランナーを100人以上抜いたと思います。
「ウルトラは必ずつぶれる。つぶれてからがウルトラだ!」師匠の本に書いてあったその言葉が腑に落ちました。
85㎞まできたエイドで、「後15㎞まで帰ってきたね。おかえりなさい。」と声をかけられました。
自分でも「あ~後もう少し。」なんて思い妙に「もうひと頑張り」的な気持ちになったのを覚えています。
思い返せば何か約束事があるのでしょう、その後のエイドではみんなに「おかえりなさい」と言われたような・・。
でも、ゴールして冷静に考えると、後15㎞って・・・(苦笑)
93㎞ぐらいでへばってしまいました。
後7㎞、このくらいの距離は、ただ走っていれば進むものです。
周りは歩いてる人が増えてきました。
エイドでも「あと1時間以上余裕があるから完走は間違いないよ」なんて声が聞こえます。
完走すればいい・・それが目標なら歩いていたかも知れません。
でも、今のところマラソンもウルトラマラソンも、目標タイムを決めそれに向かって練習しています。
今回の目標タイムはとっくに過ぎていましたが、それでも1分1秒でも早くゴールしたい。
その気持ちは常に持っています。
身体はつらくても頭は暇で色んなことを考えます。
後10㎞切ったくらいから、ゴールした自分の姿や、FACEBOOKにUPするときの台詞なんて考えていました。
そして後1㎞を切ったとき、また嫌がらせのような急勾配が・・・
ここで歩いちゃ男が廃る・・歩くより遅いんじゃね?位のスピードですが一応走りきりました。
何か分からない意地だけです(笑)
そしていよいよ、学校のグランドがゴールです。
敷地に入り、ゴールが見えると学生さんが一人一人にテープを張り直してくれます。
ゴール手前で、帽子とサングラスを手に持ち両手を挙げてゴール。
あらかじめ考えていたゴールポーズです(笑)
ゴールすると、学生さんが誘導してくれます。
メダルを首にかけ、スポーツドリンクを渡され、椅子に案内してくれて座らせてくれます。
「計測チップを外します」汗臭いおっさんに女子高校生が近寄って世話をしてくれます。
「ありがとう」
このレース中何度言ったか分かりません。
「しばらくここで休んでて構いませんのでゆっくりしててください」
ホントに四万十ウルトラマラソンはあたたかい。
フラフラと給食エイドに立ち寄り、パン、バナナなど食べられるものと熱いお茶を頂きました。
感動と言うより、「終わった~」というなんとも知れないホッとした気持ちで、雨の中、体育館へ着替えに向かいました。