2018.06.25
彼と初めて会ったのは42年前の春。
高校1年の教室、名前の50音別に並んだ出席番号で前と後ろに席が決まったとき。
その周辺でなんとなく仲の良いグループが出来て卒業しても遊びに行ったり飲みに行ったりしてた。
お互いの家を行き来して、それぞれの親とも仲良くなりなんとなく兄弟みたいになっていった。
やがて皆、社会人になり忙しい日々を過ごしながらだんだん会う頻度が減っていく。
彼は東京で就職、私は大阪で就職後たまたま福岡に配属。
彼が社会人三年目の時、彼のお母さんが亡くなり、それを機に会社を辞め地元に帰ってくることに。
帰ってきた彼、「今更就職するのもなぁ・・商売でもはじめようかと思って・・」
ちょうどサラリーマンに嫌気が差してきてた自分「俺にも一枚かませろ」
二人で「何やる?」遅くまで話した。
ひょんな事から「花屋は?」彼が言い出した。
「資格いるの?」「どうやったらなれる?」「儲かるの?」
二人で出した結論は「意外と簡単じゃね?」
今思うと、若気の至り、若者の暴走、身の程知らず。
「修行すれば良いだけ・・・」
彼が花屋でバイトをはじめた半年後、自分も会社を辞め花屋でバイトをはじめる。
彼が花屋で働き出した1年後「いつまでも修行してても仕方なくね?とりあえずやっちゃう?」
またしても、若気の・・・(笑)
彼がオーナー、私が従業員。
そんな関係で花屋を立ち上げた。
そしてそれから約4年。
彼が結婚し、なんとなく細かな方針が会わずお互い気を遣いながらストレスがたまっていく。
「俺、やめて別で花屋をやろうと思う。」
そう言って自分が独立。
それから気がつけば25年。
お互い同業者でありながら根っこは42年前のあの教室のまま。
花市場で並んで競りに参加しながら商売のことは、ほんの少し。
お互いの家族のこと、旧友の話、趣味の話、週2~3回当たり前のように会話してた。
23日土曜日の夕方、彼の奥さんから電話が・・。
はじめ何を言ってるのか意味が分からず、返事すらままならなかった。
急逝。
森志朗。
享年57歳。
今朝、花市場に行っても、彼はいつまでたっても現れず。
もう右に彼が座ることはないのか・・。
さみしさで、逝去を実感する。
午前11時から告別式。
出棺を見送り日常に戻る。
火葬場まで行った仲間から「収骨が終わった」と連絡が入った。
今はただ冥福を祈るのみ。
安らかに・・。
合掌
平成30年6月25日
福田智雪